詩
少し前から唐突に「我輩はジョルジュである」というのを書き始めてあまりの面白さに自分でハマッています(そりゃそうです‥わたしは『冷蔵庫ヘヴン』のNo.1読者、これすなわち面白がって書いているから何度でも読み返す)。 勿論コレは夏目漱石の『我輩は猫で…
宅急便のお兄さん コープのお兄さん とにかくいきなりやってくるお兄さん それが僕の好きじゃないものお姉ちゃんのパパちゃんの握手 ママちゃんの撫でようとするの 小さいお姉ちゃんのはたき それが僕の好きじゃないものそしてなにより お姉ちゃんが吐くけむ…
夜明けの熱気 朝になる前の 紫色の空の下 大きな煙突のある工場はそれでも熱い 工場地帯に沿った高速を走る わたしたちは眠気を我慢しながら 車をとばす 無言の工場たちは 何か思いながら 熱を漂わせていて わたしたちを無視している その煙や灯り 時間にそ…
どこかへ行こうとフェリーに乗った あなたとわたしは 思ったよりひんやりとした 夏の夜風が嬉しくて デッキから遠ざかっていく地上の灯りを見ていた誰もが恋したいってコランは言ったね、と あなたは古いフランスの小説の一節を口にする 泡沫の日々だっけ? …
あなたをつれてダンスホールに行こう 音楽は静かで 明りも暗いそんな 誰も知らないようなホールに ジンライムのグラスを前にした 呆然としたような二人組や 煙草を とがった靴でふみつぶす人や 抱き合って踊るでもなく ゆらめく男女が 冷たい目でわたしたち…
おそろしくイイカゲンで そして失礼な あなたはもう美しくすらない でも美しかったころ、わたしに自転車をくれたね 自転車はあなたと同じくらいイイカゲンなしろものだったから 翌日公園で黒く塗ったもう何十年も逢っていなかったあなたの誘いで飲みに行った…
子供のころのジョルジュの詩を翻訳します 未明の始発駅 濃厚な柑橘臭を漂わせる 未明の始発駅で ぼくはぼんやりと夢にみる 窓越しに眺めた弱弱しい雨 もしくは 薄緑に揺れる 生臭いラフトをいまだに届かない 恩赦の通知を待ちながら うつむいて
ここ数年、ドキドキするのはボクシングのアトか、メニエールのせいか、というロマンのカケラもないわたしなのですが、久し振りに音楽でドキドキしています。 この動画で演奏しているのはAkiraさんという学生さんなのだけれど、とてもいい。 以前、この…
いたいたしく 曇ってくらい空のした わたしは蒼い自転車で 坂をくだってゆく だれかのいのちに触れたくて ほそい坂をくだってゆくきっと寒いのだ おそろしく心細くて 困惑して わたしは祈る、たましいのありかを そして消えた島の幼な子たち わたしは知って…
スーパーマーケット、晩秋 それも夕暮れ時、晩秋の 住宅街からはじまる公設市場 そのアーケードの終わる駅前に近い スーパーマーケットで私は出会う やけに にこやかな 華僑の卵屋にかれは 私の自転車が目当てなのだそれは純然たる好奇心の賜物 私の 影のよ…
で、うささんから『HAKONIWA』の書籍化されたものを。 なかなかキレイ、わたしのうわごともこうして見ると、そう悪くなく思える。 そこで母親に見せると、怪しげな目つきでちょっと読むや「‥アンタ、これ、私、どっかで読んだことあるわ!盗作でもイ…
手足が長く顔の小さいジョルジュ...山猫並みの成長っぷりなのは鮪や鰹をメインに食べてるから。 それは兎も角、そろそろ2回目のワクチンだよ‥大人しくケージに入ってくれるかい?
坂の両側は 駅前の量販店に客をとられ ゴーストタウンと化した 商店街だろうか夏の18時だというのに 未だ美しい薄暮だというのに 概ねシャッターが下り、灯もなく (ちなみに僕が目指しているのは坂の上の医院だ.....) ゆっくりと蛇行している坂の上 その為、…
いや〜なんていうか実際はそんなに食べているワケではないような気がしないでもないけど、なんかいつも「お腹すいた」って言ってるような‥いや、他でもないうささんなんですが。 なんかいつもお腹を空かせているようで不思議...でも元気によく食べてよく喋り…
とりあえず夏の思い出ということで..... 忠誠こそ我が栄誉 夜に出港する船でここを離れる きっとどこにも行き着かない 白いモスリンで両手を 緩く縛って思い遣る不在もう終わってしまった 遠い昔、生まれるその前に すでに終わってしまった誰かの夢を 耳すま…
OUR LOVE IS HERE TO STAY 短い手足 長い手足見知らぬ街の三叉路で いつも 振り返ってくれるきみ 悪趣味なビデオのよう、同じ三叉路で? 違う..... 悪趣味なのは 坂の上にある病院に通う人々が身に着けている 偽の制服、きみは美しい きみは美しいこの世界が…
帰り道に乗ったタクシーの運ちゃんとの会話。 運ちゃん:「お!病院でっか?」 わし:「え〜去勢手術する前検査やったんですわ」 運ちゃん:「去勢てナンボくらいしますのん?」 わし:「15,000円くらいですけどね」 運ちゃん:「そんなもんでっか」 わし:…
古い恋人の家に泊まった夢をみた。 彼は既婚者だったので目覚めると当然のよう奥さんがおり、私は眠いのを我慢して早々に外に出たのだけれどそこは当然のように見知らぬ町。 だいたい私はその恋人の家に泊まったことなんて一度しかない‥ ★ ★ 町外れにある駅…
隙あらばヴェランダに出たがるジョルジュ君。 (画像は網戸によじ登る王子、宙に浮いているわけではない) そして何をするかというと、柵の隙間から外を眺めている 彼にもどこか行きたい場所があるんだろうか? ★ ★ ちなみに昨日の夜、月曜の朝の彼(夢のなか…
きのう月曜の朝、夢のなか小柄で「にんじん」のよう赤毛にそばかすのサラリーマンが登場した。 行く宛てがなさげな彼は、しかしどこからか車を運転して来「どこに行きますか」と尋ねる。外はピカピカに晴れた朝で。 そうだ、この運転手なら黙って海岸線を走…
それはともかく、ジョルジュ君と眠るようになってから決まって同じ港町の夢を見るようになっている。 それは狭い湾を囲む町、というか狭い内海を囲うように成り立っている町で、夢の情報によると紀伊半島のどこかのようなんだけど、でも、夢のなか。 今朝な…
ここんとこ『私は貝になりたい』の宣伝が多いようで、ウチの母は「中居君、キレイね‥」と私に報告するのですが、そんなことは『砂の器』の段階で知っておくべき事柄。 そこで私が「ジョルジュ君、中居君に似て目がきれいやん」と言うと「いやミーちゃんは猫…
悪質な意志において 牙をむく きみはしかし 誰からも愛されて 美しい眠りを貪る 薄い桃色の口蓋 優しい欠伸 深い緑の夢 どこか遠くで出会うであろう 私たち 儚い 叶わない夢
鋼鉄のような曇天のもと 私は自転車で走りぬけるに違いない‥ きみの夢のなか 見知らぬ路地裏を 坂を下って美しい仔よその眠り 二度とは帰らぬ 緑の空 そして蒼褪めた唇 いつか南洋の小さな島を 訪ねること夢見てゐる
ジョルジュ君に語るべき言葉は私にとって詩だと思うので詩というカテゴリを設定。 そのうち、かく。