本当は凄い奴なのか?

 近所のお稲荷神社で暮らしていたグールド(婆)さんは1995年・阪神大震災の時からそこに現れた。先住(って神社だけど)のグレイさんとも仲良くやっていたし散歩に来る犬も平気。多分、犬のいる家で飼われていたのではなかろうか?
 それはイイのですが避妊手術を受けていなかったカノ女は妊娠。それとともに姿を消し、しばらく経って4人のチビを連れて現れた!
 多分、その少し前に懐妊していたグレイさんが堕胎+避妊手術を受けてリリースされた事で「子供を産むには隠れてなアカンな」と学んだのか、それともグレイさんから教えられたのか?グレイさんの仔ならわたしが引き取ろうと思っていたくらいグレイさんはキレイで賢かったから有り得ない事ではないと思う。だからグレイさんの堕胎に関してはカノ女と深刻な悲しみを分かち合ったくらい…

 ま、チャッカリ仔を産むはそろそろ乳離れの頃に揃って神社に現れるは、まぁグールドさんはなかなかの猫だった(仔猫は其々引き取られた)のですが、その長寿っぷりが!95年頃に現れて、確か去年だか一昨年だかに亡くなった。20年も外で生きるとは…人間なら100歳とかでしょう!神社だし猫又になっても良かったカモ?

 それでわたしはジョルジュにも元気で幸せにあと10年以上生きるよう、その神社でも願をかけていたりするのですが、その頃、わたしはどうなっているか!?
 左画像はどっかで拾って来た画像(モトネタが知りたい!)をチョイといじったヤツですが、こんなんやったりして?
 まぁえーっと10年後のわたし=63歳がココ迄ヨボヨボではないと思うし和服は着ないんだけど、元気でシッカリしたジョルジュに「…チッ」みたく思われたらこりゃたまらん‥

 ところでお稲荷神社の猫を虐待とまではいかない(猫が素早く逃げるから)もののボラが餌やりしていると怒鳴り込んで来る爺さんがいた。
「ウチに入って来て迷惑なんや!餌なんかやるな!」というのがカレ=爺の言い分で、餌箱を蹴ったり、孫に石を投げさせたり、ボラでも弱弱しいというか老いて小柄な女性を突き飛ばす等の暴虐を働いていた。
 ゆーてもその爺こそ小柄で男性ボラがいたらスルーするような弱虫だったのだけど、理由は不明ながらその地域のカオであると主張し、その神社の楠の1本が陽当たりの邪魔だと神主さんに訴え伐らせたのは俺様みたいな事を言う。
 じゃあ猫の事も神主さんに訴えればよかろうに、と言うと「それは別の話や」。
          ・・・・・・・・・・・・・・・
 さて、その爺がボラのメンバーに暴力を振るうというのでわたしは極真空手に入門した。実は昔っから憧れていたのだけれど。
 するとこんな画像(右画像)が!
 実は逆立ちが出来ないから10年以上白帯だったわたし…ジ、ジョルジュにはとても勝てない!
 ま、闘う気ゼロですが、でもたまに暴力(パンチ)(蹴り蹴り)振るわれるのがカワイイ 

 まぁ確かに猫が嫌いな人にとって「地域猫活動」というのは苛立たしいものかも知れない。しかし、彼等・彼女等が誤解しているのは「地域猫活動」は猫に食べさせる=増えるやないかい!という部分で、基本、増やさない為にやっている。生きている猫に餌をやるのはそれこそヨソで何か食べたりしない為。雄の去勢は危険も伴うから仔猫の段階でしかあまりしないけど、雌の避妊はやっている。堕胎すら…わたしは人間の堕胎に反対の立場ではないし、地域猫の仔が不幸な行く末しか考えにくい現状に於いては反対する気はないのだけれど、もしわたしが堕胎されていたら?ジョルジュが堕胎されていたら?と考える事がある。P.K.ディックの短編にもそういう話があった『まだ人間じゃない(The Pre-Persons)』

『まだ人間じゃない』by.P.K.Dickは確かこんな話
 未来のアメリカのどこか。父親と息子は幸せに暮らしているが、離婚した嫁が息子の親権を持っているのだろうか?6歳になって「いらない」とされた子供は「回収車」に引き取られ、処分される…息子は今日6歳だ。父親は離婚した嫁に訴えるが「いらない」。
 そして「回収車」がやって来て息子を回収しようとするや父親は「ふざけんな!俺だってちゃんとした人間じゃない!俺も連れて行け!」と回収車に息子と共に乗り込んでいく。
 回収された「まだ人間じゃない」存在は安楽死(ガス室だったかな?)させられる。

 …'70年代前半の作品だと思うけど、ウーマンリブの時代かな?人工中絶に対するアンチとして書かれたのだと思うけど、まぁ‥言わんとする事は解る。でも産む事が不幸という事もある。ディックは男だからその辺が‥いやしかし無責任に妊娠しなければよいという話でもあったり。
 ただわたしはグレイさんの懐妊への喜びとその仔を引き取ろうという気持ちは本当だったのでかの女の堕胎後の哀しみが…ってそれも個人的なセンチメンタリズムかも知れないけど。