グールドさんとの日々.1

 愛猫ジョルジュと暮らし始めて今年で8年?ずっと一緒にいると心配したりが多いのですが、去年の今頃だったかに亡くなったグールドさんはワイルドでお稲荷神社の主のように存在していた。虎猫。
 彼女と初めて知り合ったのは阪神大震災の直後だから95年だったけど、その時神社には所謂ブルー毛で蒼い目のグレイという(わたしがそう呼んでた)気品のある、知的な雌猫がいてわたしは彼女が好きでした。敬意を込めて「グレイさん」と呼んでいたくらい。
 その点、グールドさんはあまり上品なほうではなかったのでトラと呼んでいました。
 
 その内、神社にゴハンを持ってくる人々と顔見知りになりわたしも何か出来る事がないかなぁ‥と思っていた所、神社の山側に住んでいる爺さんが暴力的で困っているとの話。なんでも「猫が自分ちに入って来て迷惑だ」「猫の餌などゴミだ!不潔だ」との意見で猫にゴハンを持ってくる人達に怒鳴ったり、突き飛ばしたりの暴力をはたらいているとの事。暴力…まぁどうなんでしょう?でもそのゴハンを持ってくる人達(後にボラと知る)はご年配の方が多かったのは確かだけど、その爺さんがどんな爺さんなのか知らないし、なんだかよく解らない。爺さんの暴力ってたいした事ないんじゃないのかなぁ‥とか。
 で、ある日爺さんがやって来たのですが、小柄な、でも確かに暴力的な爺さんでした。
 「あんたらな!いいかげんにしいや!」
 と、爺さんは猫のゴハンを置いた新聞紙をぐしゃぐしゃと踏みつけて
 「迷惑なんや!」
 うーん、平和な神社で猫の話をしながらカリカリを食べている猫を可愛がっている女性達に対し、これは確かにどうかと。もう少し平和的な対応の仕方もあるのではないかと思い、わたしはその頃、近所に看板を出していた極真空手に入門する事にしました。‥って、爺さんと戦う為ではなく、昔ッから極真には入門したかった+近所に道場があるんだと知っての事ですが。