香りが呼び起こすもの

 ヒトがくれるプレゼントにケチをつけるしかない時があって、まぁいろいろアルけど香水だけは如何なものかと思うのです‥その香りがわたしに似合うと思っているのか、或いはウケ狙いなんだかよくわかりませんが「なんすかそれ」な事が多々あって。
 まぁ香水にも流行り廃りというかそういうのもあるにはあるのですが。
 例えばディオールの『POISON(ポワゾン=毒)』なんてどうでしょう?面白い香りではあるけれど余りにも印象的杉。ゆーかバブル経済で女性がボディコンシャスな服を着ていたあの時代ならでは?あの時代といえばイヴ・サンローランの『PARIS(パリ)』も華やかなフローラルで人気があったしわたしも嫌いではなかったけれど、今そのラストノートを嗅ぐと古めかしい。シャネルの『EGOISTE(エゴイスト)』は男性用でヒットしたけれど、あんまりいい気分になる香りではなかった(ハタから嗅いで)。
 とりあえずわたしが10代の頃から好きだったのはロイヤル・コペンハーゲンの『MUSK(ムスク=麝香)』とクリスチャン・ディオールの『DIORISSIMO(ディオリッシモ)』。なんだか暴力団と無垢な乙女のような取り合わせですが、これがどちらも上品な仕上がりの香りで"ベースにムスク・飾りにディオリッシモ"というマイ・オリジナル混合でとても居心地のいい香りでした。
 それが30年位前、黒革ファッションのBFにR.コペンハーゲンのムスクを試させてやった所、スグには「香水つけてる」という感じだったのが、革の香りにそれが馴染んだ時、見事な程それがカレの香りになったので(ってコイツがまたわたしに合わないプレゼント常習犯だったのだけれど!)わたしはロイヤル・コペンハーゲンのムスクは奴に譲り、こっちはディオリッシモだけにしました。

 そして数年後、ジャギュア師匠がハワイに行く度、お土産を買って来るのですが、これはヒットが多かったデス。エルメスのパステルブルー主調のスカーフには驚きましたが、それよりも『ONLY(オンリー)』というジヴァンシーのコロンには感動しました。フローラルに柑橘が混じったなんとも上品な香り。
 あと香りはイマイチではあれアナ・スイの『DOLLY GIRL(ドリーガール)』とか、しかしよく考えてみると若々しいチョイスばかり…それで師匠に「どういう風に選んでらっしゃるんですか?」と尋ねたら‥
「スチュワーデスさんでも若い人にね、素敵なガールにお薦めは?って訊くんですよ」との事でした‥わたし、30半ばの頃の話。