『デモリションマン』/『ジョウント』永遠の恐怖

 今日、WOWOWで『デモリションマン』を観ました。実はウエズリー・スナイプスのちょいファンだからであってスタローンはどうでもイイのですが、まぁSF仕立てなのですが舞台は2020とかそんなんだったと思うんだけど20世紀の終わり頃に大改革があって、みたいな。映画の製作時期は1980年代。オイオイなんたる未来観…と思いましたが、まぁSFってこういうの有りがちというかP.K.ディックの描く未来はもっとスゴかった‥ってわたし自身がディック系読んだのが70'年代でしたから当時はそう思いませんでしたが今読むとアナログな21世紀観…まぁディックは話の奇抜な面白さがあるからまぁ別にイイですけど。

 さて『デモリションマン』ですが、冷凍保存されていた極悪人(W.スナイプス)とこれも何故か冷凍保存されていた警官(S.スタローン)が闘う話…と書くと全くこの映画の本質ゼロですね。
 この世界では潔癖をヨシとして暴力も暴力的な言動、そして人間的な行いが禁じられている。その首領というか独裁者的なオッサン・コクトーがいて「人間的であろう!」と地下生活をしている一群のリーダー・フレンドリーやその連中を一層しようというのが奴の考えであり、その為にスナイプスを解放する。この時代の警察官ときては「暴力はノー」という甘ちゃんなので「あいつを!」というので暴力警官スタローンを解凍。
 ここで何故犯罪人なり暴力警官を冷凍保存しているのか?というとマシな人間になるようにプログラミングをしている、という。しかしそのプログラミングをしているコクトーはスナイプスにはより凶悪になるプログラムをしていた上にコクトーは殺せないようにも!…方やスタローンは編み物…まぁコクトーもスナイプスも死に、多分ハッピーエンドなのですが、この映画で一番気になったのはスタローンが「眠っている?ずっと意識はあった!妻や娘の事…」という部分で、そこで連れの女警官(S.ブロック)が「意識があるなんて!それは人権問題」と言うもコクトーはスルー。何十年も意識がありながら冷凍!これは怖いです。
 
 スティーヴン・キングの短編に『ジョウント』というのがあり、それは人間を分子レベルで他地域に移転させるという発明品の話なのですが、当初死刑囚で実験すると1kmの移転でも発狂したり死ぬというので"あ!そっか!分子レベルの移転っちゃすんげー時間かかってるワケね!んじゃ眠らせよう"…そして地球人口トゥーマッチとなり「ジョウント」による他惑星への移転が(あ、一応ジョウントは行先を設定しないといけないのに嫌いな奴を行先設定せずにジョウントに放り込むという犯罪も紹介されててコワ)。
 さて他惑星へ移転する人々はターミナルで強力な睡眠薬を服用し、ジョウントへ…ある一家もそうだった…そうだった筈が移転先で両親と娘だったかが「ふー」と快適な旅を喜んでいると、息子が白髪に長く伸びた爪で「僕は見たよ!僕は永遠を見たよ!」と叫びながらジョウントから出て来た。「睡眠薬なんか飲まなかった!永遠を見た!」と言い伸びた爪で自害した。
 この話を思い出して。