シューベルト交響曲『未完成』/ピングー/マイノリティレポート

 シューベルトの『未完成』はとても有名な曲ですよね‥特に第一楽章。

 (↑カール・ベームの動画があって幸い。まぁ指揮者といえばカラヤンが有名ですが、わたしは彼の指揮したモーツアルト・レクイエムを聴いてからダイキライだったりします)
 わたしは特にシューベルトの楽曲が好きではありませんが、この『未完成』の第一楽章は美しいしいいと思う。でも笑ったのはクレイアニメの名作『Pingu』のエピソードに出て来た時。(物語は素朴なペンギンの男の子ピングーが主人公+パパは郵便配達+ママは主婦だけどなかなかの御夫人でパパを尻に敷いている+そこに産まれた妹・ピンガは兄ちゃんピングーと仲良しだけど生意気で‥まぁ他にも登場人物(ペンギンやアザラシ)はいますがそこでの可愛い日常・しかしこのクレイアニメの創作現場はすごい)
 ピングーとピンガに留守番させてパパとママが音楽会に行く話でそこで2人が聴いているのが『未完成』の第一楽章。パパがうとうとしていてママに怒られて…ってこのエピの見所は勿論、留守番中のピングーとピンガの狼藉なのですが、しかしそこで『未完成』というの。人気ある楽曲なんだなと。

 で、今日はWOWOWで『マイノリティリポート』を。トム・クルーズが嫌いなので観てませんでしたが、夢の中でアツク見つめられて「そう悪い顔でもないかもしれない」と思ったからですが、どうかなぁ?
 原作者P.K.ディックは大好きなSF作家ですが、彼の作品の映画化って微妙なのが多い…多分一番有名なのは『ブレードランナー』だと思いますが、わたしの思う『アンドロイドは電気羊の夢を見るか(BLADERUNNERの原作)』とは話がちょっと違うのではないかという…『ペイ・チェック』は寧ろ小説(短編)より面白かったけど『トータルリコール』は映画の出来が悪すぎ。つか下品。
 「原作と映画が違う!」と怒るといえばS.キング御大ですが、ディックはもう亡くなっているから…つかあれ程の作家なのに随分と貧乏でドッグフードを食べていたりしたという…ディック、生きてたら金持ちになれただろうに…つかまぁ彼の生きていた時代に彼のような暗い未来観はエンタテイメントとしての「映画」という方向には手が出しにくかったと思う。それ位独特な哲学のようなものが彼の未来観にあった。
 わたしが一番好きというか「これぞディック!」と思うのは『ユービック』。こんなに奇妙で不気味な話はないと思う。
 10年以上前、ネットが安価になり一般的になった時に「ユービクイティ=Ubiquity=範性」という言葉が出たけど、わたしはその時までディック「ユービック」の意味を理解していなかったから、彼の作品が微妙にアナログな設定でありつつ(そんな事は仕方ない)わたしレベルには何ともはや。
 今日じっくり観た(寝なかった)『マイノリティリポート』もイヤな話だ。そもプレコグ(Pre-cognition)という才能があれど人間を人間として扱っていない…でもそのシステムによって犯罪は減少した…しかし実は‥
 この始めのあたり、システムの中のシークエンスで流れている音楽が『未完成』。
 まぁ、そのタイトルに意味を…とまではは考えないけど、でも結果は、みたいな。