猫の名前について伊丹十三氏が書いていたこと

 父が持っていた『ヨーロッパ退屈日記』を読んでから(中学校の頃ですが)伊丹氏のファンになったわたしですが父は「キザな奴だ」と言ってました。近親憎悪ですか?キザだったパパちゃん‥殆ど彼のエッセイ読んでるクセに!それはいいのですが、伊丹氏のエッセイは女性にとってはいい読み物だと思います。わたしの価値観を築いたような部分もあります。
 それはいいのですが『女たちよ!』だったかで猫の事を書いてはって「まずチロだのジョニーだのって名付けるのは悪趣味でしょう!私は猫を家族として認めるものであるし、その場合表札にジョニー伊丹なんて言ったら変なバンマスみたいじゃないですか!」で、伊丹氏はご自分の飼われているレディ猫に「黄金(コガネ)」って名付けてい、その理由は「馬鹿らしい名前の方がいい」やって。なんだそりゃ。馬鹿らしい名前なら洋風の名前でもいいじゃん…
 それでわたしの猫にはジョルジュという恐ろしくヘンな名前をつけたのですが、他にどういう名前を‥というと考えてもいませんでした。マイ・フェヴァリットのジョルジュ・バタイユ(Georges)から取った名前ですが、父はジョルジュ・アルマーニ(Giorgio)と認識していました。妹ときては「英語読みしたらジョージなんちゃうの!だっさ!」母はずっと「みーちゃん」です。まぁジョルジュ本人がどう思っているかは解りませんが、呼んだらこっち見るので「俺の名前はジョルジュなんや」と解っていそうではあります。
 その伊丹氏の「黄金の自慢」は、コロリ(横になること)やいろいろな芸を「しかし彼女は餌につられてではなくそうした芸を覚えたのである」とあったけど、今ジョルジュと暮らしてて知りましたが、猫は餌につられません。楽しいからやってるという感じ。伊丹氏とて猫馬鹿だったのですね‥