ゼイリブ/SF?オモシロ?

 もしかしてもう3度目かもしれない『ゼイリブ』。それでもやはり初めて観るかのように新鮮‥というか展開がいろいろと唐突。ジョン・カーペンター監督の映画の常といってしまってはいけないのでしょうが‥
 マッチョな失業者ナダ(ロディ・パイパー)の職探しやそこでの不遇という話がまずあるのです。飛び込みで雇われた工事現場、そこで上半身脱いでスコップを振るうナダを影からチラチラみているアフリカ系男性フランク(キース・ディヴィッド)。仕事の後「いいドヤがあるぜ」と声をかけてくる。まさか‥?それは違っていて善意の人。そこで2人が交わすのが「資本主義なんてよォ!俺らを搾取してやがる」なのですがナダは案内されたドヤというか準ホームレスの広場から遠くに見える摩天楼に目をやって「でも、俺はアメリカを信じている!」。フランクは「ケッ」。ここ、微妙に伏線なんですよね。
 しばらくして漸くというか結構イキナリSF展開、とはいえナダですからそんなやり方ではアカンやろ連発の後、フランクに「俺は真実を見た!お前も見ろ!」。ここでフランクは「真実なんてどうでもいい!」‥ここでナダがフランクに"真実を見せよう"とするシーンがお笑い。ナダ役のR.パイパーって実業プロレスラーなのですが、そのサービスシーン?6、7分の格闘。これは要りますか?
 その後はもう急展開。最後命を賭して悪者のサブリミナル光線の元凶を破壊するナダ。真実を知る人々、なのですが、知ったところで‥というかそこで人民が反乱を起こすところが欲しかったですね。それよりなによりこの悪者=異星人が地球の資本を握ってどうするんだという。支配しようとしている割にはいろいろとツメが甘い。