闇金ウシジマくん・29巻/アイデンテティのありか

 前巻がかなりイヤァ〜な話。元ネタは北九州のあの事件+αという感じだったのですがウシジマ君はきっちり活躍。カッコよかった。っていうかだいたいが闇金に手を出したりする人々はダークなのですが、そういう人々に「おまえらのまちがい」をサラッと語ってみせる丑島社長がこの漫画のポイントじゃないかなと思います。わたしはそもそも身の上以上の買い物はしないしバクチもしない、借金なんて絶対しないからこの漫画に出てくる「闇金に手を出す」人々に共感できないし、寧ろ丑島社長が口にすることが正義だと感じる。今回の「中年会社員くん」で丑島カウカウファイナンスでお金を借りる"加茂"もいろいろカンチガイしている。保身の為に同僚をおとしめて見下したりセックスフレンドに失礼だったり、そのくせキャバクラの女の子に貢いだり。
 最後、同僚は自分の実力を信じて新しい世界に挑戦するしセックスフレンドはちゃんとした結婚するしキャバクラの子は起業であぼーん。ここで語られるのは「自分を持って生きていく」事の大切さ。"加茂"にはそれがなかったという事です。彼にあったのは大手企業で生き残っていくというアイデンテティだけ。しかしそれすら失う。自分を解っていなかったわけですね。この巻での丑島社長名言は「1万円札の原価なんて約28円。金は価値交換できる引換券、使わないと意味がない」確かに。ただ、その使い方が問題なわけです。
 それはいいんですが、話中に過去の敵役が言及されたり‥云々‥もしかしてここらでターニングポイント?随分とこれまでに敵つくってるから‥丑島社長。ま、絶対に負けないんでしょうけどね。

 ところでこの『闇金ウシジマくん29巻』を買ったの駅前のブックファーストなのですが、店員がヒドくて驚き。ウシジマくんのコーナーは解っていたのでそこに行くとナイので、傍でパッキン作業している店員に「あの、ウシジマくんの新刊‥」と言うと「前!」と言い放ちました。まぁその場所まで誘導してくれただけマシ?でもこれがウシジマ君に出てくるような強面DQNが客なら‥あ、態度が違うか?