おじいちゃん

多分、産まれてこのかたわたしを一番愛していたのは母方の祖父
残念ながらわたしが4歳になる前に逝ってしまったけど
今でも覚えている
記憶にあるのは茶色いカーディガン姿で
3歳になったわたしの誕生日に三輪車を買ってくれ
でも甘エタのわたしが自分で漕がないからひもをつけてひっぱってくれた

その後入院した祖父は お見舞いにいくと
「おじいちゃん、いらんから食べ」と
コッペパンとジャムをくれた
その時わたしは喜んで食べたけど
本当なら「おじいちゃん食べなきゃ!」っていうべきだったのに

少しして逝ってしまった祖父が悲しくて
わたしは物置に仕舞われたかれの寝巻に抱きついて泣いてばかりいた

でももし長生きしていたら
こんなわたしに落胆しただろうか?
それともわたしが変わっていただろうか?