セロニアス・モンク

 これは普通の事だと思うのだけれど、わたしは10年単位で音楽の出会いがありました。まずはクラシック、そしてフォークやロック(この時期が長い)、その後ジャズ。クラシックは「習い事」としてピアノだったというのもありますが耽溺しました‥でもそれは演奏だけで楽典の学習とかありません。本当に「習い事」。でもジャズピアノに入って行った時、学習し易かったのは確かです。楽譜が読めるという事は大きかった。コード理論が解る。と、なると楽譜もおこせるので知人のジャズバンド参加のおりもちょっとイイ気分でしたが、凄くいいソロを吹くテナーの人は「スコアなんかいらんねん」と、メモを見せてくれたのですが「ド・ミ・ソ・シ」とか書いていてふーん!と思いました。確かにそれで事足りるといえば足りるのです。
 そんな頃、セロニアス・モンクに出会って「なんだこりゃ」!クラシック音楽が好きだったわたしが近代音楽に出会った時と同じくらい革命的でした。何を考えているのか、みたいな意味不明さ‥まぁわたしの感性が古かったのでしょうけれど。
 そんなモンクの作品ではこの「Theronius Monk Trio」が一番好き!ソロ作品もいいんだけど(ホーンセクション入っているアルバムは個人的に嫌い)リズム隊がハリキッテいるし聴きやすい。何としても盟友アート・ブレイキーが叩いているナンバーが本当に溌剌としていて軽妙でとてもいいのです。特にこの「LittleRootieTootie」はモンクの最高トラックだと思う。奇妙な曲想、でもその展開がとても美しい。モンク自身ブレイキーとの演奏は好きで後々まで共演を望んでいたけど叶わなかった‥のは2者の方向性が基本的に違うかったからでしょうか。