グロテスク/桐野夏生


 桐野夏生氏の小説はどれも面白い。
 そう思う理由の第一にあるのがどの登場人物、特に女性がどこか病んでいる部分、その描写が上手いからなんだとは思いますが、この作品は病気の集大成のよう。
 ユリコ、その姉、そのクラスメイトの和恵。
          ★          ★
 和恵の死に様は「東電OL殺人事件」をモデルにしているのだけれど‥そして私は彼女ほど上昇志向はないし「怪物」になりきれていないしなりたくはナイのだけれど、職場でも家庭でもそれに近い扱いはうけているような気がするので読んでてイタイ。
 オ・マ・エ・ワ・ヘ・ン・ダという電波。
 私の企画書とか明日シュレッダーに、なんて発想からして自意識過剰にも思う。
ちょっと反省。
 でもオンナを怪物にするのは男だってことを男が自覚してないのは辛い。
 男の社会観や常識がどんだけ女にとってプレッシャーかなんて解ってないし、女も男の価値観に併合し過ぎていると思う。
 例えば私のようパニック障害や躁鬱を病んでいる人間が「女」というだけでアッサリ首切られる、というか切れると思ってるマイ上司なんて悪い意味で男の中の男だ。
 その上、上司の奥方様は「20代の子ならともかくイイトシして」と仰有ったらしい。
 で、それを私に言う上司。
 もう、悪口は聞き飽きた。
 カモン、レッツゴー!!