暴力温泉芸者/Nation of rhythm slaves

 そんな中原昌也。私にとっては「小説家」というより「ミュージシャン」というか「ノイズメーカー」というイメージが強いです。

 初めて聴いたのはコーネリアスだったかスチャダラパーだったかのどちらかのアルバムに収録されていたリミックスもの。もう何の心の準備もなく聴いたというか耳に飛び込んできたのでかなりタマゲました。
 しかし中原昌也のノイズ(敢て音楽とは呼ばない)が面白いのは時として真っ当な音楽のフリをしてみせたりする所。しかしそれはあくまでも"フリ"であって彼の作っているものは純然たるノイズ。そしてそのノイズっぷりのセンスがすごくナイス。私は「絶対他人が真似出来ないオリジナルなことをする人」を天才と思うのですが、その意味で中原昌也はノイズの天才です。
 ちなみにこのアルバムではtrack.8の「Roll over "Love-stylist"」辺からのトラックがイイ。彼お得意の超絶ノイズが堪能出来ます‥それ迄のトラックが全てこのノイズの前フリだったのか!と思えるぶっち切り具合。コーネリアスやスチャのリミックスもこのパターンでしたが初めて聴いてショックを受けてからほぼ病みつきです。
 なんとなく日々の暮らしに飽き足らないものを感じている人、或いは少々の犠牲を払ってでも刺激が欲しい人にはオススメかも知れません。しかしこのディスクはもう廃盤っぽい‥