ポートレイト・イン・ジャズ/村上春樹+和田誠

 本当は角川文庫の『あやしい日本語』ってのが欲しくてブックファーストに行ったんですがありませんでした。でも本屋に行く時ってもう絶対何か新しい本買って読もうって気分でいるワケで迷いに迷ってこの本にしました。ハッキリ言って村上春樹の「小説」は苦手ですが「小説」以外の著作はかなり好きです。エッセイもですが『アンダーグラウンド』という地下鉄サリン事件のドキュメンタリーとか、70年代アメリカで銃殺刑に処されたG.ギルモアの弟M.ギルモアによる『心臓を打ち抜かれて』という伝記の訳とか(しかしこの本はスゴかったです!!)。あとカーヴァーの訳もイイですし数年前サリンジャーの『ライ麦畑』訳したのも多分イイと思います、読んでナイけど。だってサリンジャーの小説=村上春樹訳なんて読まなくてもピッタリに決まってます。
 さて、今日買ったコレは和田誠によるジャズミュージシャンのポートレイトに村上春樹がエッセイを‥という構成。まえがきで春樹氏が書いているよう「異論あるだろうけどそれもアリで」楽しめる内容です。私はジャズに関してはハードバップ〜モーダルが年代としては中心、それもピアニスト中心に枝を広げていく、という聴き方をしているので「それ以外」のミュージシャンに関するエッセイほど面白かったです。中でもファッツ・ウォーラー作「ジターバグ・ワルツ」ってのは是非聴いてみたいと思いました。誰がやってるかな‥実際ジャズの面白さは同じ曲でもやってる人によって色が全然違う所にあります。クラシックでそういう面白さを提供してくれるのはグレン・グールド位ですが(笑)。