ペットセメタリー/スティーヴンキングの切なさ

 これは2〜3日前、実際にあった事なのですが「交通事故で死んだ猫を土葬したところ生きて帰って来た」みたいなニュース。動画がまだあればこのリンクで観れると思いますが、結構傷多き様子。事故の傷?でも元気そうでもあるしよかったよかった‥ですがネットでは「ペットセメタリーかよ」とか「ゾンビじゃん」みたいな‥まぁわたしも実の所"交通事故で死んだ猫が帰って来た"というトコでペットセメタリーを思い出したクチではあります(笑)。またこのニュースでペットセメタリーを思い出す人が多いというのはちょっと嬉しかったりも。何故ならわたしはスティーヴンキング師の大ファンでありますから。
 ところでその『ペットセメタリー』ですが、実に痛々しい話です。正直言ってキング師の小説は「怖い」というより「切ない」話が多いのですが、この『ペットセメタリー』は恐ろしく心が痛む話。わたしが持っているのは日本語版と米版ペーパーバックスの2種で、日本語版は上・下巻構成になっているのですが物凄い切り方するなというか上巻はハッキリ言って下巻へのプロローグと思える位に下巻が壮絶です。簡単にポイント言うなら「ペットセメタリーという子供達が作ったペット墓地があるのだけど、実はその奥にミクマク族の墓地があって、ソコに死体を埋めると生きて帰って来る」という。そういう話なのですが、しかしなんでそんなものがある地に主人公ルイスと家族は引っ越して来たのか?それは嫁の実家と距離をとりたいから‥が、ルイスの合理的な考えなのですが、もう来た段階でミクマクの呪いにかかってしまっている?ルイスは学校医なのですが着任スグにパスコーという生徒の死に出会い、このパスコーがいろいろ示唆するんですよね。あと、お向かいに住んでいるジャドという老人も問題…すごくイイ人なのだけど、彼がまずルイスん家のチャーチ(猫)が死んだ時にミクマク族の墓地を教えなかったらよかったとも。ちな猫チャーチは蘇ったけど気持ち悪い存在になっていて家族の誰もが「これはチャーチじゃない」って嫌う。ここまでで話の半分。ミクマク墓地の説明みたいな?
 そして!なんと息子(幼児)のゲージが交通事故で死んでしまう。ここからが痛々しい。「猫だから不気味なものになってしまったんだ。人間なら‥」ルイスはその考えに取り付かれる。お向かいのジャド爺さんはかつて息子を蘇らせた父親の破滅話(コレ結構怖い)もするのだけどルイスは「その時と違ってゲージはまだ死後間もないんだから」「まだ子供だし」等々聞く耳持たずというか‥まぁ案の定なバッドエンド。
 子供もいないし当時猫を飼っていなかったわたしは『ペットセメタリー』を馬鹿げた話だと思いましたが、今、わたしにしか懐かないジョルジュ猫の存在を考えると‥もし彼がわたしより先に死ぬような事があれば…そしてもし近所にミクマク族の墓地があれば行くと思いますね。
 ↓コレ映画化されたやつ。でも7と8観れません〜まぁ一番イヤなトコなのでいいですけど。