ミッドナイトエクスプレス/米国帝国主義

 アメリカ南部に於ける人種差別をテーマに据えた『ミシシッピバーニング』を撮った監督による映画とはちょっと思えないくらい、おかしな内容だった。

 確かにトルコ側の姿勢がヒステリックであるとは理解できるし、主人公=ビリーに対する量刑はあまりにも重いものだということもわかる。
 しかし、彼は実際に麻薬密輸をしようとしたのだし、実際に犯罪をおかしているのだから投獄は当然のことだろう。
 まして脱獄も図っているし、2度目の失敗ののち、看守を殺している‥ いくらイヤなやつだとはいっても殺すことはない。
 その上、これは看守長らしき人物を故意にではなくとも殺している。

 そして最後‥ これがハッピーエンドだと、わたしは思えない。

 湾岸戦争にしてもそうだが、アメリカによる中近東への内政干渉はまさに帝国主義的であって正義ではないのと等しく、このビリーの脱獄は決して正義ではないように思う。
..........と、いうのがわたしの感想。
 
 考え方はいろいろあるだろうし、それは自由だろう。アメリカ人だってそうした自由こそが「正しい自由」だと判っていると思う。
 しかし‥