風邪をひきずっています/きょう聴いたCD

1.the band apart/K.AND HIS BIKE

(このバンドは音波の薄皮さんのところで知りました、有難うございます)
 こんなふうにかくとフェミニストのひとには怒られるかもしれないけど、着る物に性差があるよう、聴く音楽にも性差があるように思う。
 特に私は好きになる音楽が女ッポイんだろう、実際のところ、音楽の趣味があう男性はどちらかというと女らしい性格のひとが多かった。
 そこでこの『the band apart(キーワード登録されてるよ)』は、というとすごく男っぽい音をしてる。それも硬派!
 音楽的には70'半ばから80'前半のパンク〜ニューウェイヴの感じ。
 それも湿度の低い、アメリカのそれっぽい。例えばテレヴィジョンとかリチャード・ヘルとか‥或いはイギリスでもチェリーレッドとか系かな‥
 『と、考えてる自分がウザいよマジで!10代のころ、なんでもかんでも「ああ、それって××やね」「そういうの好きなら○○聴いてみ、ルーツだし」とか言う年上の人間をどんだけウザく感じていたことやら。チクショウ。いやだな、年とるのって』
 .......そういう感慨にもふけらせてくれたthe band apart、私と懇ろにはならないキレのよさでした。
 試聴はこちらでどうぞ↓"FUEL"(アルバム収録曲)ヤハーリ男くさいライブです。

2.Miles Davis/ON THE CORNER

(このアルバムはぶりぃさんの紹介です、有難うございます)
 正直言って私はマイルス・デイヴィスが嫌いです。
 でもジャズファンの友人の中にはマイルスファンが多数い、そのうちの半数は「ビッチェズ・ブリュー以降のマイルスは認めん!」と言っているのでこのアルバムは聴いてみることにしました。オールド・ファンの認めないマイルスですから。
 でもやっぱりダメでした。
 ハッキリ言ってハードバップであろうがクールだろうがモードだろうがフリーだろうが私はピアノが主役じゃないと聴き辛い。
 すなわち「平均率音階」というものを私はピアノの音でしか明確に把握しにくいわけで、このアルバムのようホーンと弦とパーカッションのインプロヴィゼーションとなると掴み所がないわけです。残念。
 しかしSAXテオ・マセロとかGジョン・マクラフリン、あと一応KEYにH.ハンコックとかC.コリアとかメンバーは豪華。
 試聴はこちらでどうぞ↓"BLACK SATIN"(イメージ画像ですが曲は本物)

3.サカナクション/GO TO THE FUTURE

 これはある意味"the band apart"の対極にあるバンドのようにも‥湿度タップリ、聴き易さ万全。
 リズムは基本的に歌謡曲ディスコなんだけどちょっとしたくふうやちょっとした歌詞がどんよりしてい、落ち込んでいる自分を楽しむ余裕があるときのメランコリック音楽としてはいいんじゃないかな‥
 試聴はこちらでどうぞ↓"三日月サンセット"

Horace Silver Quintet/6PIECES OF SILVER

 ホレス・シルヴァー様の作品に駄作というものは‥けっこうアルんですが‥このアルバム程キラキラとしたアルバムはないでしょう。
 でも他にもイッパイいいアルバムがあります.........
 試聴はここ↓"SENOR BLUES"‥名演!!!!!!!!!!特にホーン2(Tp&Sax)ソロ後のセカンドリフから入るシルヴァー氏のピアノソロがなんともいえない。巧いとかいう以前の問題としてソロをつなぐセンスが別格。

 シルヴァー様のソロがユニークなところは、例えばkey in B♭のトコでFのラインを弾いたり、とにかく独特なのです。
 っていうかようつべにはなかったけどこのアルバムに入ってる"ENCHANTMENT"っていう曲なんてなんとC♯m(C♯マイナー)という難しさ‥いえ、勿論それはピアニストにとってはどうってコトないけどホーンの人たちが大変なんじゃないかなって‥
 ホーンの人たちが大変といえば『ニカの夢(Nica's Dream)』のHS5(HoraceSilverQuintetのコトよ)盤を思い浮かべます。
 ああ、もう駄目!アレも聴いてしまおう!!!!!

5.The Jazz Messengers/THE JAZZ MESSENGERS

「ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」っていうバンドは故アート・ブレイキーというドラマーをリーダーとして長年やって来、来日公演も多いので有名です。アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズって。
 でもデビューは違ったんですよ、本来はホレス・シルヴァー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズでした。
 ブルーノート盤のも"The Preacher"とか"Doodlin'"といった名曲が収録されていますが、それとは別にソニーからも同メンバーによるアルバム(左画像k)が出ていてそっちに収録されている"Nica's Dream"の名曲っぷりには負けますね。
 ラテンっぽいメロディはシルヴァー様の得意としたところですが、この録音に重大な意味があるのはそのテンポです。
 何故かこのテンポはこの収録っきりで、後々はすごいアップテンポで奏されることになるのですから。
          ★          ★
 唯一の例外はギタリスト、ケニー・バレルとのコンピ『KB.BLUES』での演奏です。
 大阪のジャズ喫茶で聞いて、その場でカセットにダビングしてもらいましたが(それ位シルヴァー様の演奏はソレとわかる)なくしてしまいました。
          ★          ★
 ちなみにHS5のTpブルー・ミッチェルのソロアルバムではスロウな「ニカの夢」やってますが、アレンジがベニー・ゴルソンなのでモコモコしてていまいち‥つーか所謂「ゴルソン・ハーモニー」好きなヒトっているのか?あのモコモコ・アレンジ‥