S.キング/愛するものはすべてさらいとられる

 『幸運の25セント硬貨』とセットのこれは前巻にあたる『第四解剖室』の3話目に収録されているおはなし。キング師の「噺」は読者を巧妙に騙すトコがあり(そこがキング噺の醍醐味なのですが)この話はその最もたる例かもです。冗談?ふざけてる?それともマジ?‥っていうかこれ何?‥と、読み進めるうちにだんだん主人公の気持ちが解ってき、最後には泣きそうになる。
 ただこの作品の場合ネタがあまりにもアレなのでキング師による解説がないとピンとこないかも。あと、女性には解り難い部分も。こういうのなんですがスゴい情熱です。私がたまに使用する"100回死んでこい!"というのも実は昔のBFがこういう所で拾って来たフレーズ。侮れません。アルフィー・ジマー頑張れ‥きっと読者はいるよ‥と、主人公にココまで同情出来るのもキング噺。