「超能力者」vs.「MONSTERZ」

 特に韓国映画が好きかといえば好きかも知れないわたし(ソン・ガンホが好き)ですが、日本で韓国映画をリメイクしているとはちょいビックリです。『超能力者』がなんと中田監督によって『MONSTERZ』という作品に!で、今日動画サイト(名前ワスレタ)で観たのですが、ある意味『超能力者』をもの凄く解り易くつくってあって、面白かった!ハッキリ言って『超能力者』では対抗する若者が「それも超能力」というのが最後まで実感できないんだけどこっちではもう「俺ってアンブレイカブル」みたいなエピソードが多々あり解り易い、でもソコがなあってのもあり。
 兎に角「超能力者」を演じる藤原竜也がパッとしない‥左画像にありますが韓国版のカン・ドンウォンは本当に狂っている顔ですが藤原はただ"目が光る"以上の表情の怖さがないんですよね。あと、藤原演じる超能力者がずーっと大友克弘の『AKIRA』を持っているのが意味深。そこで大友ファンなら「あ!童夢」って気付くところ。あれも超能力者の爺さんとそれに対抗する女の子の話だったけどかなり怖かった!けどこの話に近いので中田監督は「こっちが先や」と表現?『童夢』持ってたら超ネタバレでコントだしあえてちょっとズラせて『アキラ』かなぁ、と。実際韓国映画『オールドボーイ』も原作は日本の漫画なんですよね。でもコレ(オールドボーイ)のノヴェライズ版にはすっごく勇気付けられました。話そのものはブキミというか生理的にちょっとイヤな話なのですが「本物の痛みよりそれを想像する事の方が遥かに痛がっているんだ。痛みを恐れるな。」っていうセリフがあって、物凄く納得した覚えがあります。
 さて「MONSTERZ」ですが、何が何でも藤原竜也が怖くない!日本人でこの役をやるとしたら伊勢谷クンなどイイと思いますが、山田孝之との身長バランスとかあったのかな。全体的にも韓国版に比べて話も色彩も明るいという印象。なんかもう予め山田の役が「アンブレイカブル」って解っちゃってて、そこもよくないかな。ただ一点!はじめに子供時代のモンスター(名前は不明)と母ちゃんがいる所に父ちゃんが登場するシーン!なんか黒い禍々しいものがゆっくり現れるんだけど、こういう演出は中田監督の真骨頂だと思った。なんの事はない、父ちゃんのコウモリ傘がそーっと現れ、父ちゃん登場。なんだけど、あの傘がゆっくり現れる所はコワかった。
 それにしてもラストが‥断然、韓国版の方がいい!ネタバレになるので書きませんが、日本版はちょっと‥逆に日本版をリメイクした韓国版の『火車』はラストが良くなかった。あれはあの女性のコワさを見せるべきラストなので日本版が断然いい。