月命日/トンデモが好きだった父

 今年の3月に逝ったマイ父はゲームとかすると誰も勝てなかったし『数学パズル』は兎も角、『漢字ナンクロ』もスラスラ。若しかしたら他のメンバー(母、わたし、妹)がダメ過ぎたのかも知れませんが。あ、妹は別かな?
 小学生の頃、家族旅行の先が小豆島だったのですがおそるべき悪天候。ホテルに缶詰めだったおりカードゲーム好きでトランプを持参していた妹が「ババヌキしよ」というと父は「いや、ポーカーしよ」と言って簡単にルールを説明。わたしはそもそも何故かババヌキレベルでも負けるし、7並べに至っては速攻「詰む」クチなので "コレはヤバい"と思いギャラリーに。
 父は「これは賭け事や‥お金賭けよ」と小銭入れからジャラリ。妹はヒートアップ。でもさんざん負けた妹は「ズルい!パパはズルしてる」と半泣きになり「クミちゃん(わたしの事)お金貸してよ!後で返すから!」‥どうせ父が返してくれるのは判っていたので何100円か貸しましたが、妹は惨敗。父が「もう終わり!」と言っても妹はひつこく食い下がっていました。
 しかし子供相手とはいえ連勝する父はなんかズルをしていたようにも‥ まぁ妹がその後ギャンブルにはまらなかったのはよかったですが。

 そんな父が、何故か「トンデモ」好きだったのが面白いです。
 昔、アメリカのTVドラマだったと思うのですがUFOを追いかけるシリーズ。最後はいつも「また逃してしまった‥あれは何だったんだろう?」というセリフで終わるのですが、UFOとか全然信じないわたしは笑いながらその最後のセリフを真似たものです。父も妹も笑っていましたが‥目は笑っていなかったカモ‥
 それが去年か一昨年だか父が「クミちゃん、こんな本知ってる?こんな猫がいるらしい、三味線用やって」と見せてくれたのがハローバイバイ関の『都市伝説』のカラーページ(画像)! "こ、こんなん合成バレバレやん!"と思ったけど「ふーん面白そうな本やね、見せてもらうわ」‥読むと超トンデモ陰謀論の数々、つかこれは笑いでは‥こんな本買うなんて‥娘としては笑えない‥でも父のユメを壊してはいけないので「面白いねぇ‥でもこの猫は合成やよ、こことここの柄が‥ホラ‥」と、画像を指摘するに留まりました。すると父は「そう?」。いいです、騙されていいです!今にして思えば言わなきゃよかった‥父は『ゴルゴ13』を全巻読んでいたし「陰謀説」や「都市伝説」を信じていた、というより好きだったのでしょう。それが面白かったなら邪魔するベキではなかったですね。無粋なわたし!
 ちなみに妹は『Xファイル』を全部観たらしいです。親子ですね。 ‥半沢?それはまた別の話!