すき焼きの追求

 亡き父が未だ元気だった頃はめったに家で食事はしなかったものの日曜はよくすき焼き奉行と化した。その作成に手出しをさせなかったのでどういう手順で作っていたのか誰も知らない。
 わたし自身あまりすき焼きが好きではなかった..太ってたしその甘みがちょっと..それに父が逝ってからは作る気になれなかった。母や妹も「すき焼きはパパが作ってだしね」とか言ってたケド、本当の所あまり好きでもなかったのかも?

 そんな経緯があり長い事すき焼きを食べていませんでしたが(外食ですき焼き食べた事ない)食材庫で麩を発見し"一番美味しかった麩はすき焼きの麩だった!"と気付き甘辛い麩が食べたいという所からすき焼き的なものを作ってみようと動き出しました。
 父はすき焼き用には商店街にある牛肉屋で高い肉を買いにいかせましたが、わたしとしてはそんなブルジョア趣味はありませんからスーパーで野菜炒め用、それもオージーで。かつ午前中に行くと割引されているやつ。タダで貰えるヘット(牛脂)で充分香りが出ます。

 左画像は追求の経緯。
1.麩は勿論、確か白菜も美味しかった。あと父は玉葱好きだったから入っていた?ただこの時、白砂糖がなくてグラニュー糖を使ったからか甘みが違ってて失敗
2.白砂糖購入はいいけど今度は糸蒟蒻がやたら甘くなり失敗
3.せや!豆腐が入ってた…と思い出し、豆腐を入れるとなかなか美味しかった
4.あと白菜も美味しいと勘付き麩に次ぐメインとしたけど入れ過ぎて葉の部分が主張強すぎで失敗
…そもすき焼き用の鉄鍋が見当たらないし、ダメになったテフロン鍋で作っているのでそんなに具材が入らないという…
5.やはり白菜は1/4でいいや+肉(安かったから)増やしたろという思想に至り、昨日は甘過ぎた

 ハッキリ言って父の作っていたすき焼きからしたら全く別物という感じがしないでもないのですが味的にはこんな感じなのでわたしとしてはオーライです。若しかして物凄く要らざるお節介かもしれませんが父やご先祖さんにもお供えという(右画像)
 卵の黄身がすごく牛肉に合うなぁ…とはレンチン用の椀で食べるわたしの特権…安い牛肉でも。お供え用の器はケーニヒスクローネの何かお菓子の器、小さいから卵は入らない。

 そんなに連続して同じものを…と思われるかも知れませんがミニチキラーや鮭雑炊と違い、これは特に好きでもなかったすき焼きというものへのある意味研究でもあるわけです!
 数学者が特定の公式を解釈する為に延々と演算するようなものであり、たまたまわたしはすき焼き。P≠NP的"最適化"への演算を繰り返しているようなもの…なワケはなく、自分で作ってみると意外と美味しいのでハマっている状態。