19.俺は腹が立って来た

【番外編】GOING DOWN TO JUPITER は、ジュノーが木星の軌道に入ったので当面おやすみです

 姉貴の無計画さはいつもの事だが、俺に相談もせずチビッ仔をどこからか連れて来た…
 仲良くしてやるに吝ではないが、ヤツは一部屋占領している。面白そうな檻まで。俺にはそんなものはない。
「ジョルジュはウチの中でどこでも行けるじゃない?だいたいあの部屋はあんたの嫌いな総書記がいた部屋よ?どうでもいいじゃない?」
 姉貴はそう言うが俺としてはあの部屋が貰えるなら俺の物にしたかった。その上、チビのロルは新入りの癖に矢鱈と馴れ馴れしい。いや、だから、仲良くしてやるに吝ではない俺だが、もう少し俺を怖がるとかしてもいいように思う。
 それに今日は姉貴と遊んでいたようだが、そこで姉貴はあの歌を歌っていた…歌と言っても鼻歌だが、俺の為の歌なんじゃないのか?(動画で解りますが、にゃらんのCMで猫が歌っているやつ)
 腹が立った俺は撫でようとする姉貴を噛んだ。
 せめてチビのロルと遊ばせてくれたらどうか?

 俺はかの女、ロルに言ってやった。
「俺も始めは姉貴の部屋に閉じ込められていたけど、力がついてドアを開けてやったぜ」
「そう?でも、私はここでいいや、っと!」
 俺は腹が立って来た。