鶏わさを作った

 そもそも鶏わさという食べ物は酒の肴でありますから家の母親は作らない。酒飲みだった亡き父は「鶏はちょっと」だったのでリクエストもされない。と、いうかあんまりわたしレベルが行く飲み屋では食べた事がなかったように思います。でも、確か、どっかの焼き鳥屋で食べたかなぁ?
 わたしは実の所野菜嫌いで肉が好き派。それもナマっぽいのが好きで焼き鳥屋でも刺身とかがあればそれを注文するし焼肉屋ならユッケ?(タルタルステーキは噂にきいているけど食べた事ナイ・でもあれはどうだろ?)
 そんなわたしが家で鶏わさを作って食べ始めたのは東海林さだお氏のエッセイに作り方が出ていたからだというのは記憶しているケド、味付けはどうだったんだろう?東海林氏なら江戸の人だしそのレシピは江戸前であったと思うのですが、どういう訳かわたしが家で作る鶏わさのタレはポン酢とごまだれをミックスしたもの、そこに刻んだ青葱をトッピング。
 これは考えてみるにシャブシャブのタレがどこからか引用されているのかも知れません。

 で、江戸で食べた鶏わさは酸味がなく、甘目のタレがかかっているというより湯掻いた(軽くやで、勿論…)鶏ささみを3.5mmくらいにスライスし、予めタレに漬けてある、という味の印象でした。そしてそのタレに何かが入っているのはゴマではない。で、葱がのってないという事は極々細かく刻んだ白葱なのではあるマイカ?そう思い付いて作ってみたタレが右画像なのですがフッ…この段階で白葱微塵切りが大きいしなんか違う…あと某SNSの方では「東京なら昆布だしじゃなくて鰹だしではないかなぁ」という声も。それもそうだ‥
 
 というワケで江戸風と家のを作り比べてみたのが上左画像なのですが、食べてみてやっと「あの江戸前のタレに入っていたのは下ろした山葵やったに違いない」と気付きました。勿論、どちらともミックスの段階で山葵(チューブのやつ)は入れてあって「山葵の味がしない」からではなく白葱の刻んだやつが「こんな味はしなかった!」という何かを強く醸し出していたからです。

 さて、作って食べ比べてみた結果ですが白葱のマチガイさえなければ江戸風・甘いタレが美味しかったです。っていうか今迄ウチで作ってた鶏わさのタレがあまりにもシャブシャブを目指していたというか外で食べた記憶も曖昧だし。
 今回の教訓は↓
 我流には限度がある
…デシタ。
 まぁわたしは何事に於いても入念な下調べとかせず事にあたるので遠回りばかりしている所があるといえばアルのですが、でも別に急ぐ理由もないしそれでいいかも?