亡霊君の教えで我輩もネットとやらに参入した。
何より読みたかつたのは姉貴が書いているブログという日記らしき代物であったが特に我輩への言及はなく概ね愚痴か自慢と読んだ。是を書く御本人は楽しかろうがうつかりとこんな物を読んでしまった何者かにとつては不愉快に違いない。
「そうは言うけど、じゃあ君なら何を書くというんだい?」
「解らぬが正直に日々の事を書くだらうさ」
「じゃあ、其処には愚痴も自慢もない?」
「我輩に愚痴も自慢も特にないと思える。先ず日記など書かぬ所さ、亡霊君は書いて居られるのかい?」
「正直言って、先生の所では愛されてはいたけど事件らしき事件なんてなかったね。いっそ君と里佳子さんが面白い」
斯様勝手に面白がられても何とも云えぬが、多分察するに老先生よりは姉貴の方が面白いやも知れぬ。