『さらば我が愛ー覇王別姫』

 気に入った映画はヴィデオで何回も観るわたし。多分これまでの人生で一番繰り返し観たのは『さらば我が愛ー覇王別姫』。多分500回以上観ています。
 どちらかというとホラーやサスペンスが好きで『ヘルレイザー』のシリーズ(但し1〜4)も思い出した頃に繰り返し観ています。それは独特な演出やクリーチャーのデザインが秀逸だから「鑑賞」という感じですが、この『覇王別姫』は違います。
 数回観ればドラマの細かいところも解りますし、全体が把握出来ます。でも何度も観てしまうのはやはりその「不幸のスパイラル」でしょうか?‥そんな辛い話何度も観るなよ!かもですが何度も観てしまうのです。 子供の頃から蝶衣を可愛がってくれていた小楼はずっと一緒に舞台に立っていたし2人セットで大スター。そしてこの画像(右)は京劇の大物が蝶衣に賛辞の垂れ幕を贈るシーン‥はっきり言って蝶衣のピークはここだったかも‥この後、小楼が遊郭のお気に入りコン・リー演じる菊仙と結婚。で、まぁイロイロ(ものすごくイロイロ)あるのですが、蝶衣の孤独が浮き上がっていきます。そして文革、時代も変わって行き‥
 とにかくチラッとでも観始めたら最後まで観てしまいます。
 チャン・フォンイー演じる小楼がなんとなくものすごく「普通のひと」なのがちょいと笑うところかな。勿論、彼は彼なりにいろいろ苦労はあるのですが、でも「孤独」というフレバーがない。嫁の菊仙はズウズウシイのですが、それは幸せになりたいから仕方ない‥でも蝶衣の孤独に一番寄り添っていたのは多分彼女。そんな彼女は小楼に‥その場しのぎではあれ酷い裏切の言葉を吐かれ絶望します。‥そうそう、小楼ってわりと行き当たりばったりなのですよ‥
 と、まぁ長々と書きましたが、これからも何度も観ると思います。