ユービック/P.K.ディック

 数年前「ユビキタス」という言葉が出て来た時、この小説を読んでいたオカゲでその概念が理解し易かった‥ってSFにコッてたの学生時代なんで恐ろしく古い話なんですが。しかしこの小説の何ともいえない気持ち悪さがタイトルの元になる言語"ubiquity"を私に叩き込んでなきゃちょっと解り難い言葉です。クリスチャンの人には一般的なんでしょうが。さて、この小説ですがディックの代表作だと私は思っています。たいがい悪夢度の高いディックの諸作の中でもピカイチの悪夢具合の上、実際一種の「夢オチ」なんですがその構造が凝ってい、ちょっと想像のつかない結末。ディックの作品は結構映画化されていますが名作程映画化不可能‥だって悪夢だから、という残念。