ヘル・レイザー

 とりあえず「中居君から追い掛けられる」というちょっとナイ夢のイキオイに押されて午後は『ヘルレイザー2』を観た。このシリーズは全巻ビデオ持ってるけど本当に私の思うヘルレイザーは『2』って言うか『1』はヘルレイザーという物語りのアイディアの基礎部分でしかないと思う...勿論『1』もクリストファー・ヤングの音楽が先ずイイからイギリスのぱんぴーライフもエキゾチックに感じられるし悪くナイけどバーカーはもっと荒唐無稽*1じゃないと!
 そういう意味からして『2』は本当にイイ、まず全編「日常」とかけ離れた展開の上に「地獄」の概念が深化している。『1』での「欲望の向こう側にある究極の快感」ってだけでは説得力乏しかったけど『2』では「甘い記憶が苦痛になり得る」という展開がある*2しそうした地獄のヴィジュアルも秀逸。まさに永遠に続く廃虚然とした、でもなんかソコに住んだら住んだで悪くなさそうな世界。
 ちなみにこの後の『3』は舞台はニューヨークのクラブ(笑)、多分この辺でスラッシュとかデスメタルみたいな人たちがヘルレイザーの世界観にリンク*3したんじゃないかな、内容はここ迄の話を踏襲しつつ「ナウな魔道士*4」出て来たり、ヘルレイザーのシンボル・ピンヘッドはいよいよカッコ良くセリフも増えてアンチ・クライストっぷり教会で発揮等、まさにあの辺の感じ。実際この『3』はオリジナルタイトル『Hell on Earth』(『2』は確か単に2だった)でサントラも出たしこの辺迄はバーカーのカラー許容範囲っつーかアリ!と思う。
 次の『4』もまぁ面白くナイ事はないけど一気にスケールダウンという気が...ってのはもう『外伝』っぽいしイマイチ。
 そして『5』に至ってはまさに"5th wheel of coach(@スチャ)"、即ち蛇足というか「ソコまでして続けんでもいいよ!」な超・拡大解釈...でもある意味リアルな悪夢っぷりという点では傑出してた、5作品の中で一番救いがナイ...でもいらんわ、コレ。

*1:コレがUSA御大スティーブン・キングだとリアルなぱんぴーライフが盛り上げ要因になるんだけどこれは国民性というより作家性の違いだろう

*2:ちなみに『3』では「苦痛の記憶が快感に変質」したりする

*3:『Chronicle:HellRaiser』ってのがアメリカで出版されたのもこの頃と思う。

*4:DJがCD投げたりバーテンが火炎ビン投げたり等