二度と帰らない旅立ち

もうすぐ3時、父がこよなく愛したソファやTVやキャビネットとお別れです。式場に運ばれて行くのです。私や妹、そして母は連れだって行き、通夜のお客様にご挨拶するのですが、通夜が家じゃないのが痛切です。
 最後まで父には家にいて欲しかったのですが、居間に医療用ベッドが鎮座していてお客様を呼べないという。
 
 でも、それより何より父がくつろいでいたスペースから「運び出す」というのが辛い‥父が「唯一男の仲間や」と愛していたジョルジュはお留守番。
 今、精一杯ジョルジュを氷のように冷たく横たわっている父に見せてやっていますが解っているかな?