スティーブン・キング/ゴールデンボーイ

 もともとは『ディファレント・シーズンズ』という一冊本で、其々の季節をテーマに4話。
 そのうち冬以外の3話が映画化されていますし、よく出来た話ばかりなのですが、その中で夏がテーマの"Apt Pupil(優等生)"という話がとてもコワイ。その邦題が『ゴールデンボーイ』。

 とても粗い粗筋を書くと「‥ナチスに魅せられたアメリカン優等生‥」です。
 わたしもかつてナチスの独特な美しさに魅せられたことがあるので、この小説に対してあんまり批判的にはなれないけれど、いやしかしそこまでは‥とも。
自分の子供、それもチビッコが書きかけの原稿を散らかしているのを発見し、その瞬間に『シャイニング』という大作をヒラメイたという逸話のあるキングならではの「すごい」展開。

 それにしてもやはり「夏」というのは堕落の匂いがするのですね。

 ところで何故いま、この小説のことを思い出したかというと、主要登場人物が、だらだらと常飲しているのがエンシェント・エイジだからなのでした。
 曰く「安くて美味しい」。