夢ねこジョルジュが詩、を/『葡萄の目の仔』

私に南紀地方らしき漁港の夢を見せるジョルジュ。
 今日の午後は私の膝でぐっすり眠りつつ、とても美しいイメージを伝えてくれ、そしてそれは『詩』だった。書いておく。

 『葡萄の目の仔』
 
 マスカットの翠
 そんな目の仔 柔らかく細い
 骨格のゆるやかに捩じれる 眠い午
 毛皮が覆う手を伸ばし夜の海辺を司るのだ 
 
 その囁きは瑠璃いろに澄んだ硝子
 港を見渡すそらからの窓
 
 そして唇はゆるりと捩じれ
 熱い息に眠り 
 いつもの入り江で見失う
 かすれた声の土産売り 或いは
 紙のよううすっぺらな漁夫 その見知らぬ歌に
 見失うのだ