ウェイン・ショーター/スピーク・ノー・イーブル(WayneShorter/SPEAK NO EVIL)

 骨休めに高野山、それもコッシャンと。そしてソレは確かにすごく良かったんだけど、私みたく毎日をルーティンで暮らしてる人間がしつけない事するとリバウンドがある。温泉にじっくり漬かったりハリ治療受けた後に来るリバウンドと同じだ。そんな時にはタラタラした音楽を聴くのが一番‥ジャズでも「モーダル系」でしょ〜となるとW.ショーターのコレなんですわ。同年代のでも『ナイト・ドリーマー』はピアノがマッコイでかなり鬱陶しいんだけどこのアルバムはピアノがハービー(H.ハンコック)でまさにモーダル!即ち劇的じゃない。殆どの音楽の基本にあるのは「平均率」だしクロマチック音階のムーブメント。クラシックは元より演歌もロックもジャズも基本はそれだ。そしてその基本理念は「動的」。そしてショーターのこの辺のも一応基本理念としては平均率の枠内なんだけど既存のコード・フォーメーションに従わない流れで楽曲が構成されている。例えて言うならクラシックでいう「近代音楽」系。実際T.モンクの楽曲もそうだったから特に新しいとは言えない*1がこの辺からジャズが近代音楽からの脱構築に本格的に乗り出したのは確かだ*2。まぁ難しい事はともかく"だらだらした音楽"が聴きたい時はショーターのコレです。ま、もっと入り易いのはハービー・ハンコックの『処女航海(MaidenVoyage)』かな。

*1:ってどの道'50〜'60年代のハナシなんだけど

*2:その結果ショーターは後々"ウエザーリポート"結成で別次元に離脱していくんだけどその辺はもう私として範疇外