大江健三郎「性的人間」

 これは短編集。「性的人間」「セブンティーン」「共同生活」という3編が収録されている。今日コレを出してきて読んだのはうち「セブンティーン」がある意味日本の"右翼"みたいなののメンタリティーをかなり意地悪く(だって作者大江だし^^:)しかし解り易く描いていたよーな気がしたからなんだけど、コレは思った以上に意地悪く、しかし「やっぱそーだよな」と思える内容でした。そしてここ数年の日本で17才のワケ解らん犯罪多いのも同根なんでしょうね。17才位って言ったらそろそろ進路を真剣に考えないといけないケド煩悩も多い上に同世代の中での格差も見えてくるから焦ってしまう。実際義務教育なんて「義務」っていうだけあってかなりどうでもイイしろものだと思うけど一応17才あたりだとそうも言ってられない。結果「何かが出来る子」や「とりあえず放棄してる子」はイイとしてもそうじゃなく半端な立場でなおかつプライドの高い子の懊悩はかなりのものなんだろうと思う‥そこでイキナリな行動に出るのが殆ど男の子ってのもある意味当然。女はまぁ「双葉より芳し」つーかガキの頃からアナーキーな発想するんでさっさと緩やかに頭良くなったりして深遠な「悪い子」になれるから子供殺して目立とう!なんてアホな事しない。ただ男より成熟している分、資本主義やひいては帝国主義、あるいは急進的な全体主義みたいなのって「男が暇だから用事作ってるわ」っていうあたり見えてしまうあたりでアナーキーになり過ぎるトコあるけど、まぁ男よりはマシって感じがする。本当に口ばっかだしさ、男って。で、そういう自分のレゾンデトールの為に簡単に人殺ししちゃうんだから全く傍迷惑。