闘病記.3/Zクリニック

 そんなわけで3月5日、わたしはいつも通勤で乗っている電車から見える隣駅前にあるZクリニックに‥職場のいざこざ、父の重病‥おもにこの2点でもう心が真っ暗で見るもの聞えてくるもののすべてに涙が出て仕方ありませんでした。猫のジョルジュに心配をかけたのもこの頃です。どんなふうな感じだったかというと
●たとえわたしから「100万くらいなら貸してもいいですよ」と言ったとはいえ、それを当然のよう「貸してくれないと困る!」と言ってくる上司が信じられない=がんばって仕事してるのに情けない。悲しい。いっそ惨めだ(涙)●そんなヤツに、父ががんばって手に入れた事務所の社長デスクに座られているなんて悲しい。父がかわいそうだ(涙)●一体、わたしがなにをしたというんだろう?(涙)●(電車のなかで赤ちゃんをみて)わたしだって幸せだったのに、どうしてこんなことになったんだろう(涙)●駅前のファミマを見て、妹とよくお昼ごはんを買いにいっていたのを思い出して(涙)...............etc,etc................まぁキリがないといえばキリがないのですが、こういう感じです。 Zクリニックの待合室でも”どうなってるんだろう、父が大変だというのに”というのでずっと泣いて。

 ZクリニックHクリニックと違い、まず「靴をぬいでスリッパに履き替える」というエントランスの上、インテリアもオシャレはオシャレでしたががイタリアンならはエスニックという感じ。あと壁に「禁煙のすすめ」みたいなポスターが貼ってあるのも庶民的。の壁には高そうなジャン・コクトーとかのリトグラフでした。まぁどっちがいいかは、好きずきですけど(‥っていうかそういうの内装をわたしは好きでしたが)。
診察室も全く雰囲気が違っていました。のほうは重々しい感じ、医師のテーブルの上には大きなモニター、周囲には難しそうな本&チラ見したけど、殆どがラカンの研究書だった+壁にはラカンの肖像=モノクロ写真でかっこいい‥みたいな雰囲気。わたしは、そう悪くは感じなかったけど、ちょっと「シロウトは黙っちょれ」みたいな演出と思えなくもなかったり。すっごく悪く解釈すれば‥ですけど、なんかダーク目の色調ではありました。
 かたやは部屋全体が明るいソフトな色合いで、少女マンガっぽいルックスが好きな方なら「お!」っと思いそうなキレイな顔立ちの、多分これも30代っぽい医師が応接間のようなソファーセットでお出迎え。医師の顔立ちはどうでもいい(個人的には子豚ちゃん系のH医師のほうが好みだったりするし)のですが、話し方もよかった。馴れ馴れしすぎない気安さというかフランクさで、こちらの話を待って受け答えしてくれるのでした。そして、その受け答えというのが”本当に知りたがっている”という感じでした。
 それで安心というか「ああ、話してもいいんだな」という気分になったわたしはもう逆に泣けて泣けて喋れないような状態になってしまいました‥ただ、別のクリニックでパニック障害と診断され、山ほど薬を〜、の、話は出来ませんでした‥と、いうか、その時はまだ「副作用」のことが頭になかったし、言ってはいけないような気がしたからです。
 ちなみにその日のZ医師の診断は「抑うつ」で、1ヶ月休暇の診断書を出されました。っていうか、出してくださいました。そして「軽いお薬を出しますね」と言い「お年寄りの方でものめる(ちょいムカ(^-^;))やさしい体調を整えるお薬と、デパスという安定剤ですから、怖がらずにのんでください、くわしいことは薬局で書面をくれますから何かあれば連絡してもらってもいいです」とのこと。そこで処方されたのは以下の薬。
●スルピリド 50mg
●イソクリン 5mg
●ドンペリドン 10mg
●デパス (詳細消失)
 (続く)