天人五衰/三島由紀夫

 『豊饒の海』全体は全然興味ナイし読む気ナシなのですが。、この1冊だけは異常に好きでたまに気付くと読んでしまいます。多分それは登場人物の皆が悪意にみちているからかもしれません。それも消極的な悪意に‥結局誰1人として積極的に何かをどうかしようという意志がない。そして巻き込まれるままに巻き込まれていくばかりで被害者続出といった感じ。三島にとっての「幸せ」がああいう「終わり方」にしかなかったとシミジミ感じさせてくれる一作です。