大衆的娯楽の衰退…と趣味

 わたしが子供の頃は近所の商店街に3軒映画館があり、その内の1軒が夏休みには子供向けアニメを2〜3本立てで上映しておりました。
 西暦で言えば1960年代、昭和なら40年代とはいえ商店街のロードショー落ち館でディズニーとは考え難いのでディズ物は流石に三宮でかも知れませんが(勿論母同伴・父は仕事)唯一覚えているのは日本製『長靴をはいた猫・ペロ』で階段が下から崩れてゆくシーンとイチゴラムネ食べ過ぎて気持ち悪かった事くらい。
 後に『スクリーン』のブルー・ページ(…以前も書いたと思うのですが母's実家(煙草+よろず屋)の向かいが貸し本屋で父が借りていた&わたしも漫画雑誌は借り放題)に"コレは何かある"と思いました。

 実際その辺を追求しようとなったのは小5の終わりに転校して来、あまりの才能でわたしを悔しがらせた親友pontueが登場してからの事と思うものの、あまり映画には一緒に行かなかったような気がします。かの女とて一風変った趣味の持ち主ではありましたがベクトルが違う?

 さて右画像ですが、わたしが中学の頃に観て"ほおぉ〜"と思った映画たち。
..左から
1.夜明けのマルジェ(LaMarge)
 コレは商店街にあった映画館に一人でオヤツ(ジンジャーマン・クッキー)を持って観に行きました。まぁシルヴィア・クリステル演じるディアナの美しさが圧巻!あと前にも書いたかもですが気前もいいし若くてハンサムなのであろう客(ジャケに写ってる男性)シジスモン・ポンスに惚れてオシャレな下着を買って穿き替えているとポン引きに叱られるとこかな。
 P.D.マンディアルグによる原作『余白の街(原題同じ)』の陰鬱さをよくぞここ迄ファンシーなポルノにしたものだと思います。その映画館はガラッ空きで今はスーパーになっています..
2.愛のコリーダ(L'Empire des sens)
 三宮の映画館で、pontueと観に行った..のはいいですが、中学の制服で。結構入っていたのによく入れてくれたものです。ただ殆どモザイクでさして面白くはなかった気が。しかし藤竜也が金策に走る定の列車を追いかけるシーン&これまた定が金策に出ている時、ションボリ床屋へ行く時出征してゆく軍隊と擦れ違うシーンがよかったです。まぁ定を演じる松田瑛子が微妙とも..当時モデルさんらしいですが..
3.ソドムの市(SALO' O le 120 giornate di Sodoma)
 これも三宮の映画館、しかし『愛の..』に比べたら2番館というか小さい劇場。ハラコ(皮革の名称ではない・愛称)という喧嘩上等の女子が「奢ってくれるなら行ったる」との事でこれまた中学の制服で。別に私服がナイ訳ではなく一旦家に帰って着替えて〜となると親が煩いからです。
 個人的にM.D.サドの短編はいいとしても『悪徳の..』『美徳の..』そしてこの『ソドム』等は単なるサド's趣味の羅列としか思えず好きでもなかったのですが、あまりにもヒドいという前評判だったので。これもかなりカットされていたしモザイクで何が何やら。ただ、スポンジケーキにカミソリの破片を仕込む所は印象に残っています..帰りのバスの中でこけそうになったのはいい思い出です。

 だのにDVD買うって..と思われるかもですが、どの作品もほぼ40年以上前には観れなかった何かが観れるかもしれないという思いと、やはり懐かしさがあるのです。ナチス関係及び『O嬢の物語(Histoire d'O)』は今日は遅くに天麩羅を食べて胸焼け気味なので後日にします。
 "煙草OK""定食ではなく単品OK"という店を探して入ったのですが…天麩羅は美味しかった!